ワイルドライフマネジメントについて考えた 3

2012-06-16
「クマについて」少し勉強しよう。」と軽井沢通いを始めた2回目。

梅雨に入ってうっとおしいお天気ですがとらのアウトドアアジトも軽井沢も標高が高いので
雨が降っていてカッパを着ても蒸し暑さ感がなくて快適です。

最近のカッパは新素材とか使っていて快適性がぐんと上がっていて大したものです。
カモシカ毛

軽井沢のクマ調査を行っているピッキオのヘアトラップ調査に今回も同行させていただきました。

これはカモシカの毛のようです。大切なサンプルですので丁寧に扱って袋にしまいました。




松井・北さん 002

こちらはイノシシのようです。
カモシカより明らかに太い毛です。

採取された場所が違うのでしょうか、イノシシの毛は「蓑毛」といって毛の先端が三又になっているのモノあるんですがこれは蓑毛にはなっていません。


…なかなかクマらしき体毛は採取できません。




松井・北さん 006

「今回もクマは無理かな…。」と思っていましたら、何と、わなにクマ本体がかかっていました!
扉が落ちて動物が中にいることが判りました!

ピッキオでは三井物産の環境基金助成を受けた「QUMAプロジェクト」で、
クマの体毛を採取するのみならず、クマの捕獲も行って体長などの測定からクマの行動を把握するためのGPS受信機の装着などを行っています。


罠にかかったクマにこれから麻酔を打ちます。

体の部位の測定から耳へのタブの装着などやることは盛り沢山。

幸いにしてクマ調査2回目にして実際にクマとかかわり合う場に立ち会うことができました!!

「運が良すぎるぞ!オレ!」っと思いましたが

私のすぐ横では「フッコッ!フッコッ!!」という迫力のある声と時折、「バァァ~ンッ!!」という檻を叩く大きな音が…。 

音とともに頑丈なドラム缶が不気味にしなります…。

明らかに私たち人間とは力のレベルが違う生き物(「もしかして、この中にいるのは、REX?]と思う位…)

がすぐ近くにいて、怒りにまかせて叩きまくっているようです…(その怒りの矛先は明らかに私たちなんですよね…)。


そんな状況の中でもピッキオのスタッフの皆さんは粛々と体重を量り、必要な麻酔薬の量を量ってクマに麻酔をかける準備を進めております…。

皆さん、プロでございます。

とらは「私は立ち会っているだけだからね、キミを捕まえようだなんて全然思っていなかったんだよね~。」と心の中で言い訳に終始するばかりでございます。



松井・北さん 023

ようやくクマに麻酔がかかってオリから出されて計測が始まりました。

捕えられたクマは推定3歳くらいの雄熊です。

粛々と手順通りにデータ収集が始まります。




松井・北さん 019

クマの手。太い筋肉で覆われた前足です。

爪は鋼鉄並みかも…と思っていたのですが案外軽い感じです。

爪の鋭さより手の筋肉の強さで相手にダメージを与えるのでしょうか。






松井・北さん 021

クマの足。

見事な扁平足でした。

足の裏はスポンジのように柔らかくてとらの角質ガチガチの足裏より柔らかくて赤ちゃんの足裏の様…。

足音を立てずに歩けるのですね。

足裏からはクマの体温が伝わってきます。







松井・北さん 026


麻酔をかけて約1時間。

計測を終えて発信機を取り付けられてクマは放たれました。

麻酔をかけて1時間ほどで麻酔から覚め始めるのでしょうか、
呼吸が違ってきたりして少しずつ覚醒し始めている様子です。

クマが覚醒始めるにつれ気弱になるとらでございますがピッキオのスタッフの皆さんは覚醒が確実になるまで
見守ってから現場を離れました。

さすがプロ!

クマ調査が終わって家路に帰る途中、恥ずかしながら疲労困憊。

これまで山でクマに行き会ったことはありますがそれは一瞬。

今回の様に捕獲されて興奮するクマの怒りを身近に感じたこともこれまでありませんでしたし
麻酔にかかっているとはいえ直に触ったりする体験も初めてでございました。

頭の芯から疲れた~っといった感じでございます。

「して、とらは中山間地でクマとどう付き合う?」と問われれも無理な段階でございます。

意外と身近かにこのような力の強い動物が生息している事、中山間地の人口減少と高齢化でこれらの動物が今後さらに身近かに感じられることは間違いない事を念頭に置きつつも、
「では、どうする?」をちゃんと考えなくてはいけないことを改めて考えさせられている段階でございます。

クマはシカやイノシシと違って個体の個性が違う事
(とうもろこし畑の近くを徘徊していても畑に近寄らいない個体もいれば畑でもすぐに「餌場」と認識してしまい居座る個体もいる)

など「個性」が強い生き物であることなど「クマはこのような生き物である。」という定説が通用しない生き物であることなどをスタッフの皆さんとの会話の中で理解しました。

個性があって、なわばりを持たずに広い範囲を行動する…。

行動パターンを把握しにくい生き物かも知れません。

今後、クマが個体数を増やしていくのか、減らしてゆくのかは自然の推移であって私にははっきりした予測は立てられませんが
ヒト側の都合(中山間地に住むのヒトの減少、高齢化、猟師の激減)などから行動パターンが人間の活動範囲に及ぶことは容易に想像ができます。

クマと一緒に中山間地でうまく暮らしてゆくにはヒトはどのような「お作法」が必要か…。

「お作法」がちゃんと機能して、ヒトとクマとがうまく暮らしていけたらアラスカやカナダなどに行かなくても身近な場所でダイナミックな自然にいつも触れられるな、すごいな日本の自然!と疲れた頭で考える帰路でありました。




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[2012/06/26 21:44]
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