ワイルドライフマネジメントについて考えてみた 2

2012-06-10
とらのアウトドアアジトから車で50分。

峠を一つ越えると避暑地で有名な軽井沢町に到着です。

距離にしてたった30㎞程なのですが見慣れた風景とはだいぶ違います…。

軽トラックがいなくて高級そうな外車ばっかり!

道行く人はおしゃれな人が多くて、特に箱わなを仕掛けて捕獲したくなるような若いマダムが多い!

 …誘引するエサは…そうですね、一世を風靡したティファニーのオープンハートのネックレスなんていいかも!

ガイジンさんの別荘がいい感じ!

…でもマッチョ・ガイジンさんはどうして草刈りをタンクトップでやるんだろう。草刈り機が飛ばした葉の切れ端がチクチク痛そうだな、ランボーの映画ファンなんだろうか…。
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軽井沢といえば星野リゾート。

2,3日ゆっくり滞在してアウトレット巡りや旧軽銀座なんぞを歩いてみたいものですが今回の訪問の目的は看板の左下の
NPO法人ピッキオ

軽井沢の別荘地はまさにツキノワグマの生息地にあり、過去には別荘地から出されるゴミをあさる「ごみぐま」が問題になったことがありました。

現在はゴミ漁りをするクマはいなくなりましたがクマの生息地であることは変わらず、ピッキオは軽井沢町からの委託を受けて別荘地に近寄りすぎたクマの追い払いなどクマ対策を行っています。

とらは休日を利用してツキノワグマの生態を勉強させてもらおうと調査のお手伝いをさせてもらう事にしました。

電波発信機やセンサーカメラなどを使ったクマの動向の把握の仕方や様々な情報、有形無形のクマに関する知識を吸収することが目的です。

運がよければ実際にクマと対面することも叶うかもしれません。


ちなみにとらは一度だけツキノワグマと山の中で遭遇したことがあります。

「雲の平」と呼ばれる北アルプスの最深部を一人で歩いている時で登山道わきの茂みが動いたかと思うとひょいと真っ黒い大きな動物がほんの数m先に現われたのです。

クマはこちらに気が付かない様子でしたので「おーい、人間がいるよ~」と声を掛けるとあわてて逃げて行きました。
ほんの一瞬、クマとほぼ並んで歩いたのですが真っ黒なつやつやした毛が朝日に輝いてなんてきれいな動物だろう、と思いました。

太い前足が威風堂々としていて実に美しい動物でした!

…しかし、ちゃんとクマ鈴も付けていたのに気が付かなかったのでしょうか?

ヒトの存在を気に留めない「新世代グマ」というヤツでしょうか? もしくはとらの存在感の薄さの顕れ?


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けもの道の脇に有刺鉄線が張られたコーナーがあります。

ピッキオが三井物産の環境基金助成を受けた「QUMAプロジェクト」で行っているヘアトラップ調査です。

有刺鉄線にクマの毛を絡ませて抜いた毛を分析してクマのDNAを調べてどのような系統のクマがいるかを把握しようというものです。

ピッキオではクマの被害対策のみならず浅間山麓の広範囲なクマの移動など動向を把握することで保護管理につなげようと取り組んでいるんですね。





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センサーカメラです。 最近の機種は画像が鮮明で動画もきれいに撮れるのでこれまで判らなかったクマの生態が次々と明らかになってきているそうです。

テレメトリーと呼ばれる電波発信機を追う調査やGPS受信機を使った行動調査など学びどころが満載です。


ちなみにヘアトラップの見回りに同行させてもらった際にも車載の電波受信機が反応してクマが近くに潜んでいることを教えていました。

まわりは新緑の美しい静かな森が拡がっているだけですが近くにクマが潜んでいるわけですね。

登山道も通っているしなんてったってここは別荘地からほんのわずかに離れた森の縁なんですけど。



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クマの捕獲用のオリです。

イノシシなどを捕える箱わなでは格子に噛みついて怪我をしてしまいますが、ドラム缶をつなげたこのタイプはクマがけがをしないように工夫されています。



丸一日、30か所以上のヘアトラップを丹念に見て回りました。

シカなどの毛はありましたが残念ながらクマのものらしき毛は見つかりませんでした。

クマの保護管理というとアンテナをかざして電波を探してクマの居場所を探したり、

「おしおき放獣」といってオリにかかったクマにトウガラシスプレーを吹き付けた後に山に追い払ったり、

ベアドックと呼ばれる犬を使って山に押し返したりと

派手な活動が注目されがちですが、今回の様に森に残されたわずかなクマの痕跡を集めて回る

地道な作業の積み重ねが大事な情報を生むに違いありません。



クマの動向調査にはこれからも関わっていきたいと思います。

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[2012/06/11 00:00]
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