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鳥獣被害対策の求人募集は増えたけれど・・・

2020-07-29
アウトドア好き、特に狩猟好きな皆さんは 「狩猟行為で飯が喰えたらいいなぁ~。」 と思っている人も多いんじゃないかな。

とらもその一人。 昼間は獣を追っかけて、季節ごとに釣りや農耕、養蜂を取り入れて毎日おいしいお酒を呑んで面白おかしく暮らしましたとさ、めでたし、めでたし!  が理想の暮らしなんだな。

この手の求人はなかなか出ないんですが、それでも全国各地で鳥獣被害が増えてその対策が始まっている。

ひとつの例として こんな求人募集が出ていました。 → 福島県田村市「鳥獣被害対策員募集」

この求人は、野生鳥獣の捕獲ではなくて、防御の方、つまり集落に野生動物が現れて田畑が荒らされないように草刈りをしたり、電気柵を農家さんと一緒に張ったりする業務のようなんだけれど、野生動物とかかわりを持てる仕事、というくくりでは 同じカテゴリーになるかな。
このような求人が増えてくれば地方移住をして自然豊富な土地で暮らしたい、という人の選択肢が増えると思うんだよね。






雇用の条件は次の通り。  他の自治体で今後もし、同様の職種の募集があった時の条件に近いと思われるので今後の参考になると思うんだ。   ※文字の色変えは とらの思惑 に拠ります。

◆募集人数
1名
◆年齢制限
20歳以上(性別は問いません)
◆雇用形態
有害鳥獣対策協議会の事務局員
◆勤務場所
市役所産業部農林課内
◆任期
令和2年8月1日より令和3年3月31日まで
※勤務状況により任期の延長もあります。
◆業務内容
・有害鳥獣の種類や量に応じた被害防止対策の立案・実施
・集落及び集落間で取り組む総合的な対策の推進
・協議会における事務局員としての各種事務処理、現場活動等
◆勤務条件
原則として週5日勤務 勤務時間 午前8時30分~午後5時15分 (7時間45分勤務、休憩時間1時間
※鳥獣対策業務のため、土日祝日の勤務となることもあります。
◆賃金等
日額9,000円(月額180,000円/月平均20日勤務時)
+各種手当(手当内訳:住居手当・専門職手当(20,000円)・ 過勤務手当・共済保険料)

◆その他
・雇用保険、社会保険制度へ加入いたします。
・業務に必要となるパソコン、資材等は市で用意いたします。
・業務に必要となる車両は市公用車をご使用いただけます。
住居については、本人で用意していただくこととなります。
◆応募条件
・鳥獣害対策について知識・意欲を有する方。
・狩猟免許(銃猟・罠猟)を取得している方、もしくは今後取得する予 定のある方が望ましい。
・普通自動車免許(AT 限定可)を有すること。
・パソコン操作(Excel・Word)ができる方。
・心身共に健康であり、意欲を持って業務遂行ができる方。





外に出ずっぱりの現地対策員ではなくて、「事務局員」の立場なんだね。 現場対応もあるけれど、会議の資料作りや議事進行、議事録作成なんかもありそうだ! 
年度末とかは現場に出ているよりパソコンに向かっている時間の方が長い気がするな!

・・・ うーむ、しかし、雇用条件がなかなか厳しい…  地方自治体の厳しい懐事情も透けて見えてくる求人だし、野生鳥獣対策のお役所内での立ち位置、対応の優先順位も見えてくる内容だと思うんだ。

けっして高くない手当のうえに来年3月末までの有期雇用・・・  求人対象者はどんな人を想定しているのだろう?

この条件で応募できる人を とらなりに考えてみたけれど、こんな感じかな。

・ すでに何かしら本業を持ってて、頼れる番頭さんがいて、自分が他の事をやっていても自動的にお金が入ってくるヒト。

・ リタイヤして、退職金もがっぽり貰えた! お金の心配をしなくていいヒト。

・ 地元の農家さんとか自営業で、住む家もあって食料は自分で作っていて余裕がある、さらに時間の融通がつきやすいヒト… 



つまり、  「あまり働かなくてもいい人・時間の融通の利く人」 でないとこの条件で仕事に就こうと思わないんじゃないかと考えるんだ。

もう、十分に働いて貯金もそこそこあって住む家もある。 動物も好きだし、地域貢献でちょっくら頑張ってみるかぁ! みたいな人生の安定期に入った人でないとこの雇用条件には耐えられないと思うんだ。

これから家族を作っていく若い世代、特に外部からその世代を呼び込むことは住居の問題もあって(半年しかいないのに、引っ越し代、敷金、礼金を負担できない!) この雇用条件ではとても難しいと思うんだ。

仮に半年ほどの雇用期間しかないんだったら、せめて月々のお手当てを ぐっと 弾んでもらいたい。
そうでないと、有期で低い手当しか用意できない程度の優先順位なんだと勘ぐってしまうよね。

野生動物対応なんて課題地域を取り巻く自然環境とそこで栽培される作物の種類やどの時期にどんな生育具合なのか把握してようやく、
 「今年はシシの奴、田んぼに降りてくるのはやいっぺ!」 みたいな感じで対応をするわけだから 活動期間のスパンは最低でも数年。
最初の1,2年は研修期間みたいなものだ。

たった半年程度で成果を出せ、そのお手当ては月に20万円くらい、では雇用期間切れの後の就職活動に忙しくて腰を据えて鳥獣被害対策なんてしている時間がないと思うんだ。

ちょうど運悪くとらの目に留まってしまった福島県田村市の待遇の悪さを俎上に載せてしまったけれど、日本全国、どこの自治体でもまだ野生鳥獣対策に投じれるお金なんてこの位のモノなのかも知れないね。

このような待遇の元となったのは猟友会の駆除が 出来高制 な為かも知れない。

猟友会、正式には 「大日本猟友会」 というんだけれど、日本を代表する狩猟者の組織だ。
最盛期の1970年代には全国に50万人以上の会員がいたんだけれど、最近は猟銃を持つ人も減った、若い会員の入会が少なくなった… などの理由で会員数も全国で10万人を切ってしまっていて、会員の年齢層の中心も60代、70代に移りつつある・・・

自虐的に 老友会 という人がいたり、 ハンターは絶滅危惧種! 獲物が絶滅する前にハンターが絶滅するわい。」 というほど捕獲圧力が弱ってきているんだな。

それに加えての日本全国を挙げての 「少子高齢化」 「農村部の過疎化」 が拍車をかけて獣の勢いを増長させて昨今の鳥獣被害が生み出されている訳なんだよね。

そんな中でも猟友会は頑張って「社会貢献」としての鳥獣被害対策を担っているんだ。

猟友会が活発だった1970年代。 日本は経済成長著しい時代で、働くことが美徳の時代だった。 モーレツ社員なんて言葉もあったし、そのあとの時代では「24時間働けますか」とか「過労死」なんて言葉も生まれた時代だったんだね。

そんな時代の中で時間とお金がかかる狩猟をやれる人というのは自営業で成功している人、自分で会社を経営している人や地域の名士と呼ばれるような人が多かったんじゃないかな。

・・・自分が趣味で行っている狩猟が地域の皆さんの役に立つなら(・・・ちょっと後ろめたいし)  手弁当で駆除に参加してお役に立とう、
駆除に参加してお金を貰うなんてとんでもない! 狩猟期以外に鉄砲を持って山野を歩けるなら自腹でOK!・・・ つまり、時間とお金に余裕のある お金持ちさんが、有害駆除の担い手に多かったと思うんだ。

・・・ なんか、今の自治体が鳥獣被害対策員に求めている雇用条件に耐えられる人物像、という意味では似ている待遇ではないか! と とらは勘づいてしまうのでございます。

猟友会がこれまで社会貢献として鳥獣被害対応を担ってきた行為は尊い。 

しかし、獣が増えてきた現代、その獣を捕獲して肉や皮を利活用して地域貢献のみならず、自分の生活を成り立たせていこう・・・という若者が現れてきた今となっては 
鳥獣被害対応の人的単価を下げる一因になってしまっていると考えることもできて、もしそうだとすると悲しい事だと考えるんだ。

「出来高制」 つまり、獲物の捕獲があった時だけ「報奨金」などの名目でお金を出せばいい制度は、業務の発注側には大変なメリットだ。
野生動物を捕獲するまでは様々な準備が必要だ。
現場の下見からワナを掛けて毎日見回り。 それでもカラ打ちや見込み違いなど膨大なスカ がある。 それらの成果の礎になる膨大な努力と時間は勘定に入れずに獲れた時だけその成果として数万円を払えば済んでしまう。

ずっと捕獲努力を続けて毎日の見回りもして、餌や配置をいろいろ検討してもそれらはいっさい金額に換算されない。

もし、一シーズン、努力したけど一頭も獲れなければ行政は捕獲者に対して一銭もお金を払う必要はない。 
当然、捕獲者本人の収入は ゼロ。 ・・・ とても仕事としては成り立つものではない。

しかし、猟友会はその業務を「社会貢献」としてこれまで脈々、綿々と行ってきたのだ。 

・・・すでに立派な仕事があってお金の心配がないヒトにしかできない事だと思うんだよね、やっぱり。

近年になって猟友会の高齢化が進んで行政も独自の鳥獣被害対策を行わなくてはいけないようになった。

しかし、金銭的な基準は相変わらずの猟友会の 「社会貢献・ボランティア」の域を脱していないものと思われる事はとても残念な事だ。


だけど、人口減少が著しい中山間地はますます高齢化、限界集落化が進むであろうから鳥獣被害は増えることはあっても減ることはまずない、と考えられるんだ。

もう少し時間が経てば自治体も鳥獣被害対策に本腰を入れて(入れざるを得ない!) 対策員の待遇も上がる事が期待できると思うんだ。

今はまだ鳥獣被害対策の立場は 「地域貢献・ボランティア」 と ようやく対策に専門員を置き始めた 「本業・黎明期」の潮目、  過渡期なんだろうね。

野生動物と対峙して生活基盤を作りたいと思っている皆さんはもう少し、我慢。 今は狩猟グループ,駆除隊に所属して自分の狩猟技能を高めつつ、もっと世の中で必要とされるその時を待つ時だと思うんだな!

とらも超・零細なりに 狩猟で喰える道を模索しているんだよね!

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