野生鳥獣保護管理と人口減少化社会について考えた!

2018-06-19
昨今、増えすぎた一部の野生動物がヒトとのトラブル、軋轢を生んでいる事は皆さまも新聞やテレビの報道などでご存知の事。

なかには
 ハイキングに行ったらサルの群れに囲まれて持っていたお菓子をカツアゲされました!悲っ!」   というヒトとしての尊厳を毀損され、誰にもその事実を告白できずひとりその大きな悩み、悲しみ、いたたまれなさを胸に秘めた悲しい実被害に遭っている方もいらっしゃることでしょう。

・・・サルに負けた、なんて誰にも言えないもんね! とらも浪江のボスザルと張り合った時は「人類を代表する」気分、人類の尊厳を賭けて背を向けるわけには行かない、という切羽詰った心境だったよ。

・・・昔は「野生動物に負けるかも知れない。」なんて危惧は感じる事はなかった。野生動物、自然環境は人の開発によって常に脅かされ、守るべき対象だったからね。
ほんの20年前には考えられなかった 「野生動物の台頭」 の時代に私たちは生きているんだよね。

どんな時代の変わり目、潮目にいるのかちょっと勉強してきたのでございます!






導入
「人口減少社会に向けた野生動物管理を考える」 に行ってきました!

これまで、一部の野生動物・・・ というかさ、陸生の大型野生動物、例えば イノシシ、シカ、ツキノワグマ、カモシカ、ニホンザルといった日本在来の大型哺乳類はみんな増えてなんらかのトラブルをヒトとの間に抱えるようになってきた。

これにさらにハクビシン、アライグマ、地域によってはヌートリア、 地味だけど意外としつこく悪さをするタヌキなどなど中型哺乳類も加えると 陸生の哺乳類はみんな増えてきているみたいだ。

未だに絶滅や生息域の減少が懸念されているのはあいかわらず護岸をコンクリートで固められている河川に棲む生き物達だけではないだろうか?

これまで、これらの動物が増えた原因として
・地球温暖化で降雪量が減って野生動物が越冬しやすくなった
・猟師が減って野生動物があまり狩られなくなった
・捕食者のオオカミが絶滅して100年が過ぎた  ・・・・

などなど様々な意見、憶測が出ていたんだけれど、今回のシンポジウムでは 
 野性動物が増えてきたのは日本の人口が少子高齢化、人口減少化時代に入ったからです!」 
ときっぱり言い切っているんだよね。  この言い切りはこれまでになく小気味いい。

とらも一時期、山あいの戦後の開拓村に住んでいたことがあって、毎月のようにご老人が亡くなった、町の老人ホームに移られた、などの中山間地からヒトがどんどん減って、廃屋と耕作放棄地がどんどん増えていく状況を目の当たりにしていたので今回のシンポジウムの言わんとする事はよく判るんだ。




人口減少化
人口減少化時代の入り口に私たちは生きているんだよね

ちょっと文字がわかりにくいかもしれないんだけれど、ちょうど私たちは人口がピークを迎えてゆるやかに減少し始めている時代に生きているんだ。
この人口減少化はこれからずっと、加速度的に続くだろう。 そしてそんな時代はこれまで経験してこなかった時代だ。

100年よりもっと前から日本では増え続ける人口を抑制しようと海外への移民を奨励したり、日本国外に植民地を設けようとした時代もあったほど。
それが今からは人口は減るし、高齢化は進むしでまったく新しい時代と言っても良いかもしれない。

これまで日本で 「あたりまえ」 とされていた常識が覆るかもしれないね。

・日本は山ばかりでヒトが住める土地が少ないから土地の価値はぜったい下がらない(土地神話)
・日本は開発ばかり盛んで自然はどんどん破壊され続けている
・日本のどんな土地に行っても住める環境があって行政サービスが受けられる・・・ 郵便はどんな土地にいても82円で届く
・土地は開発するもの、農地は増やすもの
・野生動物たちはすべてヒトの管理下に置かれているもの


・・・そんな「100年以上かかって築かれた『日本の常識』がこれからもしかしたら100年近くかかってゆっくり崩れていくのかも??




再野生化!
「再野生化」!

今回のシンポジウムでは「集落の再野生化」という提言もでてきたっ! これは要は 「人のその土地からの撤退」 を意味する事なんだ。

これまではダムや大型公共工事、いわゆる『お国のため』で住民の立ち退きや集団移転があったけれど、今後は野生、自然環境に飲み込まれる事を防ぐ為の集団移転、いわゆる 「ゾーニング」が始まる可能性があるってっことなんだね。

これまでは日本全国、どこの土地に住んでも良かった。インフラが整備されて郵便が届くし電気、水道、道も整備されていたけれど、今後はヒトが住める場所も制限されてくる、というコトなんだ。

そしてヒトが住まなくなった土地、集落は 「再野生化」つまり人の痕跡(住居、畑など)を消して動物たちがヒトの生活空間の周辺に棲息する事の快適さを覚えないように野生に戻す、というコトなんだね。

もちろん、ふるさとを失くす方々も出てくる悲しい施策だけれどもそうでもしないと行政サービスもインフラ整備も維持管理ができない現実面もあるわけでそこに拍車をかけているのが鳥獣問題というわけなんだな。




動物の専門家ではない?
今の日本の獣害対策に必要なのは 「野生動物の専門家」 ではない??

うんっ? 野生動物問題を考えるのに必要な人材は「動物の専門家」 ではない???

この提言はたいへん重要なコトだととらは思うんだ。 

今の「野生動物問題」は 人口減少化社会に対応し切れていない状況で発生した社会問題の野生動物が関わるいち側面にしか過ぎない、といっているんだよね。

野生動物がヒトの生活に関わってくるのはごく一部の課題でもっと大きな問題として医療の問題や年金、孤独死、健康寿命、買い物弱者なども含めた社会問題として捉えなくてはいけないよ、と言っているんだよね。

とらも実感があるんだけどさ、 とらが関わる野生動物捕獲管理の仕事でも野生動物の減少にいちばん効果的なのが 「そこの土地の人口が増える」 というコトなんだ!
ヒトの勢いが増すと積極的に狩りをしなくても自然とそのエリアから動物たちはいなくなる・・・ヒトが活発に活動している事こそが動物たちを人里から遠ざけるもっとも効果的な施策なんだと思うんだよね。

国立公園など人の影響を極力抑えたエリアで一部の野生動物がそこの自然環境に影響を与えるほど数を増やしている場所はまた別問題があるんだけれど、普通にヒトの活動が活発なエリアなら野生動物たちは引いて、ヒトとの接触はなるべく避けようとするものなんだ。





エゾシカ協会
エゾシカの食肉利用も体系が整えられてきた!

今回のシンポジウムでは 「おおきな社会問題の一部としての獣害問題」という色彩が強かった為か、あまり捕獲した野生動物の食利用については触れられる部分が少なく感じた。
でも、野生動物問題は人口減少化社会の副産物だからこの社会問題がカタ付くまで放っておいて良いわけはないんだ。
捕獲管理された野生動物の利活用もすすめていかなくてはいけない。

日本では北海道と長野県が先進的な取り組みをしているんだけれどまだまだ捕獲された動物たちが活かしきれている状況ではないんだよね。
他の国の状況をみると、税金を使って捕獲された野生動物を 埋設やら焼却処分やらで「ゴミ」にしている国は日本くらいなものらしい。 どこの国でも獲った動物はちゃんと利活用されているし、その制度を構築している。

日本はそもそも、ずっと野生動物が少ない時代が続いていたし、狩猟もあまり活発でなかったから野生肉流通の整備が進んでいなかった。
海外を見れば先進事例がたくさんあるからその良い所を取り入れてより良いものを作れればいいよね。

でも、その前に 野生肉食の習慣を定着させなくてはそもそもお肉が売れないってコトが大きな課題かな。

北海道のエゾ鹿協会の衛生的な食肉加工の取り組みについてや新たに発足した「シカ捕獲認定精度」についての発表もあったぞ。
その他に10年先の計画としていくつか興味あるテーマも報告されていたのだけれどそのなかに 「外国人ハンターの遊猟ガイド」という項目があったのをとらは見逃さなかったんだな。

外国人のお金持ちハンターを日本に招けばシカの獣害問題なんて一気に解決! 害獣のシカが地域にお金をもたらす益獣になる事間違いなし!と考えているとらには今後の動向が見逃せないのでございます!

さて、社会問題とまで言われ始めた獣害問題、どんな展開になっていくのか目が離せないとらなのでございます。

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