若者の可能性を棄損する罠でこの国は溢れている??

2017-07-20
う~む、今回は 「社会派とらさん」 なのだ。

あんまり辛辣に言いにくい事をズバズバ書くと 一部読者の方から恨まれるし、反論メールが来たりするし、どっかの悪口サイトになんか書かれてイヤな思いもするかもしれない・・・。

一番安泰なのは 「昨日は曇り空でした。 今日は良いお天気です。 明日も晴れるでしょう! 明後日はワカラナイ。」みたいな当たり障りのない事を書いていればいいんだけど、たまに 「ここは一言いっておかなくてはいけない。」という心の琴線にふれる事があるんだよね。

つい前回、「あんまりトンガリ過ぎる記事はやめよう。」と書いたばっかりなのに反省の色のない 懲りないとらなのでございます。


今回、琴線に触れたのはこの記事。 狩猟初心者に研修を受ける場を提供するという、狩猟を仕事にしたい人には願ってもない良い話なんだけど・・・

狩猟修業 in 奈良  ・・・とらの知り合いの関係している企画なんだけど ズバズバと感想を述べさせていただこう。






「三年間、師匠に付いて狩猟を学んで、それが終ったら狩猟で起業する事は自由」 という 「狩猟インターン企画」みたいだ。

手当ては毎月13万円(※年度ごと見直しあり)、 住まいはシェアハウスを紹介する、というものだから家賃と食費は自腹という事だね。

三年間、師匠について狩猟や獲物の解体を学んだ後は身につけた狩猟技術を活かしてジビエレストランや農家民宿、ソーセージなどの加工場を経営しても良い、という内容だ。

「狩猟技術を身につけて狩猟で生活してゆきたい。」という希望を持った皆さんには願ったり叶ったりの企画のようなんだけど、
実際のところ どうなんだろう??

・・・狩猟技術を身につけた後は猟場を分けてもらえるのかな?  自分で猟場を開拓する必要があるならこれはまた大変な課題が待っている。

独立後、適当な場所で猟をしたら 「アンちゃん、誰の許しをもらって俺たちの猟場荒らしてんだい?」とか言われそうだし、そもそも新参者がいきなり一年中狩猟をできる環境に身を置ける事はまずない。 
先ずは狩猟期間中の3ヶ月間に一般ハンターとしての活動から開始だ。

地元狩猟グループに入って何年か一緒に行動してその後 うまく認められれば有害駆除のメンバーに入れてもらえるかも?
駆除の報奨金はどんな分配になるか知らないけれど、たぶんコンビニでバイトしたほうが確実に実入りは多いと思うんだな。

ジビエレストランや農家民宿、食品加工場の経営だって資金も要るだろう。月13万円で3年間も拘束されたんではお金の貯めようがない。

現状ではその土地にコネがあるヒトや莫大な資産を持っていて 「カネは要らんから刺激的な生活をしたい。」という人じゃないと3年間の研修後の狩猟で起業は難しい気がするんだ。


とらは お師匠さんが有害駆除と組み合わせて一年中狩猟行為ができる環境にあるなら、三年間も拘束するのではなく、平日は仕事を続けてもらいながら、週末土日を研修に充てる制度を提案しても充分じゃないかと思うんだ。
あとそれにお盆休み、正月休みを加えてね。

まったく無職で困っている人は別として、今現在仕事を持っている人がわざわざ仕事をやめて有期3年間の仕事に就く事はあまり良い事ではないと思うんだ。

月のお手当てが13万円なんてやっと生活が維持できるくらいのレベルだろう。 3年後の独立といっても独立できる資金が貯まるとは思えない。 貧困層の一員に身を落としてしまいそうだ。

最近、狩猟関係の求人も少しずつでてきてはいるんだけど、「ブラック企業、上等!」などジョークなんだろうけれど低賃金・条件悪を前提にした求人が多くて これもあまりよろしくない傾向だと思うんだよね。

実際、「ブラック上等!で上等!!」と勢い込んで入社した若者も辞めていく事が多いらしい・・・。 夢と気合いだけじゃ仕事は続かない。

辞めて 他に別の立派な仕事に就ければいいけれど、そのままうやむやになってしまうとしたら、安易な夢を見させて道を踏み誤らせたのならば、  「他者の人生の毀損」 への加担になってやしないだろうか?


「あ~あ、これで少し友だちが減ってしまうかも知れない。」とか思いながら書いているんだけどさ、この手の話は狩猟だけじゃないんだ。


とらが思うに、この国は 「少子高齢化が進んで日本国の行く末が心配」 とか言っておきながら 将来が不安定な貧困予備軍を作る制度がいっぱいだ。 それもお役所が率先している場面もあるんだから タコが自分の足を喰っているようなもんだ。

新規就農者支援、〇〇協力隊・・・ 若者のチャレンジ心を撫でくすぐる施策が目白押しだ。 だけど、そのどれもが 「有期 〇年間」 という短期の有期雇用で、その間に自分で喰っていく道を探れ、というものなんだな。


若者は自分にナンか知らんが自信があって、プライドをくすぐられると将来の事も考えずに飛び込んでしまう・・・
「むこうみず」 は若者の特権かも知れないけど、それを上手い具合にくすぐって自分達に利するように使いたがる大人が多すぎる。

総務省肝入りの「地域おこし協力隊」は田舎暮らしを求める方には魅力的な制度だけどよろしくないウワサを聞く。
ヒトがどんどん出て行っている過疎地で「3年後は自分で起業して。」と言われても起業できる土地なら住民の誰かが何かやっているはずだ。

とらが20年近く蠢いていた農業の世界でも「農業研修」という制度があってその地域の篤農家の所で3年間ほどの研修を行ったら独立で農地の斡旋をしてくれる、研修中はいくらかのお金がもらえる、という制度なんだけど良い制度と言って良いか判らない。

実際にその制度を使って農家になった人も知っているんだけど、独立してからが茨の道のようだ。なぜなら「売り先」は紹介してくれないからだ。

・・・要はこれらの制度、人口減少に悩む自治体にとっては 「人口増加」 を手っ取り早く叶える手段になっていると思うんだ。
それも働き盛りの労働人口が一気に手に入る訳だ。


農業研修の場合、自治体は就労人口が手に入り、研修生を受け入れる篤農家はさらに規模を拡大して 「研修生がいないと畑の維持ができない。」状況になっている。
さらに研修生を受け入れるともらえる 「手当て」 も篤農家にとっての大事な収入源になっている場合も多い。

自治体と農家の間には「自分達の都合」はあるけれど、実際に生活をリセットして土地にやってくる研修生への配慮ってあるのだろうかね?

「売り先」についてはほとんど手助けをしてくれないんだけど、農業で喰っていくにはそこが一番大事なポイントだと考えるんだよね。
篤農家は自分が育てた研修生に自分の出荷先を分けてくれたりしないのだろうか?

農業技術を教えて農地も斡旋してあげた(大抵が離農した耕作放棄地、集落から離れた飛び地の畑でイノシシ、シカの食害が多い)、研修中の生活費の面倒も見てあげて
農業用トラクターやハウスを建てる資金も格安で貸付してあげる・・・ 

だけど、売り先は自分で見つけて来てね! という事だから 「ハシゴを掛けて木に登らせてハシゴを外しちゃう」 状況のまま研修制度が動いている気がするな。


いっぽう、一般の会社はもちろん、行政関係も今は 「嘱託職員」 という有期雇用者が増えている。

このような有期雇用制度を利用して仕事に就く方は、雇用側の予測を上回る動きができないと食い潰されてしまうと思うんだ。
彼らの手のひらに載って踊っているだけじゃいけない。

仕事体験、スキルアップに役立つ、と云うなら数年間限定の勤務は良いかもしれないが、毎年契約を更新していくだけで新たな展望を見出せない働き方は長い目で見て生活の安定には繋がらない。
その為、結婚や子どもを持つ事をあきらめたりする事態につながってしまうだろう。

とらが社会に出たてのバブル時代は空前の人手不足。転職はトレンド、転職するごとに給料があがっていく・・・みたいなノリだったんだな。
「 ♪ 職業選択の自由~アハハ~ン・・・ じ~ゆ~う!♪ 」なんてコマーシャルにのってリクルート誌が大流行。

その流行にのって転職を繰り返して年齢を重ねていま、苦しんでいる人たちも多いことは皆さまもご承知の通り。



若い人たちは自分達の将来の可能性を毀損する甘いワナがこの社会のいろんなところに仕掛けられていると穿って考える事も大事だと思うんだよね。
魅惑的な誘引エサと巧妙に仕掛けられたわなをも見抜く老獪なイノシシ並みの警戒心も必要なんだな!


だけど、最近は「人手不足」で正規社員就労の機会も増えてきているようだ。 このような若者の将来を毀損する「甘い罠」が淘汰される事を望みたいな。





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