山賊キッチン・コサギを食べてみました!
2017-05-17
イノシシ、シカの2016年度の利活用率は17%だったらしい・・・。 100頭捕獲されたらそのうち17頭ぐらいは食利用やペットフード加工などされて利用されている、という事だね。少し前はほとんどが廃棄されていたのだから大きな進歩だ。 でも、相変わらずその他の83頭は利用されることなく、埋設されたり焼却されたりしているんだ。 せっかくの山の幸なのにもったいない話だ。
しかし、とらは未だに 「ほぼ100%まったく利用されることなく処分されている」 という資源を知っているんだ! それがカワウやハクビシン、アライグマなど日本の食生活にこれまでなかった 「新しい野性肉」 。
それらを食利用できる道を探って有効活用しよう、奪う命ならせめて喰い供養をして 「美味しかったです、ごちそう様」 と言ってやろう、という趣旨で行うのが とらの主宰する「山賊キッチン」企画なんだ。
この企画では 「狩猟対象種でない野生動物」 を食するチャンスがあるんだ。 ・・・それはなぜ??
もしかして・・・違法な取り引きに手を染めたから???
☆
☆
☆

寄生虫! 野性肉の生食は実はとても身近な食のリスク
突然ですが、先日クマ肉を捌いていたら線虫と思われる寄生虫がうにょうにょでてまいりました!
このサイズなら目に見えるから 「あっ!寄生虫がいたっ!」と判って食べないからいいんだけれど、もっと小さいサイズや卵、幼生サイズだと容易に見逃してしまいそうだ。
こんな虫をお腹の中で飼いたくないなら野性肉の生食は厳に慎むべきだな!
まぁ、とらとしましては、その土地の習慣、文化として野性肉の生食があるなら とやかくお節介な事は言わないので自己責任で楽しんでもらっていい。
だけど野性肉の生食の危険性を知らない人に 「自己責任で」 とか言って生肉食を勧めてはいけないね。

今日の食材リスト
さて、今回の山賊キッチンの素材がこちらだっ!コサギ、 クマ 、 ハクビシン・・・ まともに「食べれそう」 と思えるのはクマ肉くらいではないかな??
クマ肉は夏の有害駆除で捕獲したクマの肉を分けていただきました。
「クマ肉の一番おいしいのは秋の喰いこみ時期を迎えて脂のたっぷりのった秋グマのもの。」と言われるんだ。
だけど、「美味しくない」と言われる夏のクマだって畑の作物を守る為、等の理由で捕殺されているんだったらその肉もちゃんと利用したいんだよね。
ハクビシンは中国の方では高級食材で通っているらしい。 もっともあちらの皆さまは 「四足なら机以外は何でも食べる。」 と豪語されているそうですから守備範囲が広すぎて想像もつかないけどね。
一時、重症急性呼吸器症候群(SARS)のコロナウイルスの宿主としてハクビシンが疑われたんだよね。
実際の宿主はキクガシラコウモリだったとの事でハクビシンの疑いは晴れたのですが、ハクビーくんの身になってみれば、
そのまま宿主を疑われていた方が身の安泰は保てたかもしれないね。
とらだってSARSの宿主だったら食べようとは思わなかったんだよね。
さて、今日のお題の動物は 「コサギ 」。
コサギ! サギって食べれるの? その前にコサギって狩猟鳥獣だったっけ?? もしかして・・・密猟もの??

有害駆除従事者証 捕獲活動をして良い場所と動物の種類、それぞれの捕獲頭数が細かく決められています。
コサギは狩猟鳥獣には入っていいないんだ。
だけど増えすぎて農作物や水産業などに被害を与える、と判断された場合は「有害駆除」として捕獲の許可が出るのです。
今回は有害駆除捕獲された後に処理場に運び込まれたコサギを入手して食利用にチャレンジしてみたんだ。
とらも、サギなんて魚食性が強い鳥でおいしいとは思えなかったんだ。
だけど知り合いから 「サギは昔のフランスの宮廷料理に使われていたみたいだよ。」という情報をゲット! 俄然、食チャレンジをしてみる気になったのです!
・・・しかし、魚食性の鳥は臭いのに宮廷料理に使われた? ホントかな??
念のために知り合いのフレンチのシェフに 「フランス料理でサギって使った事、ある?」と聞いてみたのです。
シェフは使った事はないと云うんだよね!
あれっ!もしかしてとらは騙された? ウソだったのかな?いや、サギだけに詐欺かも知れない!!クエ クエ サギ??
でも、もう手元に届いちゃったし,駆除で獲られて捨てられるだけのサギもいるのだ、特に毒がなければ食べても大丈夫だ!
これも何かのご縁かも知れない・・・ 喰っちゃえ! お金も払っちゃったしネ。
「入金済」が最大の決め手となって改めてサギの食チャレンジに目覚めるとらでございます。
従事者証をよく見ると、もっと驚く動物が載っているな! サル!サルも狩猟対象外だから獲れないんだけど、有害駆除だと捕獲できるんですね! まぁ、すき好んでサルを獲る人は会ったことないけどね・・・
サルはヒトに似ている動物だから色んなウワサがついて回るんだ・・・
曰く、 銃で狙いをつけたら 「撃たないでくれろ」 と手を合わせて拝まれた、とか檻に掛った親子ざるを殺そうとしたら母ざるが子どもを庇った!「・・・!っ !っ ダメだっ!撃てねぇ! オレにも生れたばかりの 赤ン坊がいるんだ…」 とか。
八百万の神がいらっしゃる国は楽しいねぇ!

コサギのムネ肉試食。 解体が終わったらムネ肉を焼いてシンプルに塩コショウで味付けして肉の味を確かめます。
八百万の神の居る国の住民でもヒトと動物は 「仲良し」 だけではお互いに生存していけない。
ヒトは動物、植物を問わず、他者のご遺体を体のなかに食料として取り込んでいかないと生命を維持していけないからね。
だけど、食料になってくれた動物に感謝する事はできるんだ。 奪った命ならせめて 「美味しかったです、私の血肉になってくれてありがとう」と感謝してやりたい。
数が増えて害をなすからと、ただ殺して埋めたり焼いたりして処分する事はとらの本意ではないんだな。

体色は真っ白で美しいサギも羽を剥いちゃうと皮は浅黒いんだね。 けっこう腹黒い性格だったりして?
コサギの解体が終わりました。 野生のどんな鳥でもそうなんだけれど、塊で肉が取れるのはムネ肉位なんだ。
モモ肉なんかほんの申し訳くらいにしか付いていない。 鶏のモモ肉なんか見ると 「これぞ、品種改良の賜物!」と思えてしまう。
ムネ肉以外はなるべく骨から肉をこそげ取るんだけど、どうしても骨に付いたままの肉が残ってしまう。
だからとらたちは骨を圧力なべにかけて肉が取れやすくしてさらに煮汁からエキスも頂こうと工夫するんだよね。
ムネ肉の試食をしながら味の感想を述べ合って、その後どんな料理を作るか決めたんだ。
サギはそれほど匂いがきつくないのでカレー利用は外したんだ。
醤油味の鍋でもイケそうな気がしたんだけど、今回は他の食材に醤油系が多かったので味噌で味付けする事に決定!
手分けをしながらどんどん料理になっていくぞ。

レバーを使った一品。 火を通したレバーをスライスして茹でたじゃがいもに載せました。ソースはバジリコ酢で作ったもの。
野生動物料理で肝臓など内臓を使う事ってあまりないんだ。
どうしても手間がかかる印象があるし、羽抜きやらなんやら、やることがたくさんあってつい、「あと、後でまとめてやろう!」とか言いながら
わちゃ わちゃ やっているうちに 「あれっ!レバー、どうしたっけ?」 とかになって他の内臓たちと一緒に生ごみでまとめちゃっていたりして 使う機会を逃すんだよね。
内臓をきちんと使うにしても肉を食べる時のソースの中身に加えるくらい。
だけど、今回はプロの料理人さんが参加してくれていたおかげで忙しい中でも 「ちゃちゃっ!」 ともう一品作ってくれたのでございます。
山賊キッチン企画の嬉しい傾向として 飲食を本業にしている 「食のプロ」 の方が参加してくださることなんだ。
プロの料理人さんが野生動物料理に興味を持ってくれて、羽根むしりから体験してくれるという事は、これから先の「野生動物の食利用」 につながる大事な事だと思うんだよね。
食べれる主な内臓は、心臓、肝臓、砂肝位なんだけれど、コサギには砂肝が見当たらなかった。 餌は主に魚をつるんと呑みこむ位なんで、硬い木の実とかをすりつぶす為の砂肝は必要が無くなって退化したのかもしれないな。

料理が完成しました!今日はイタリアンの料理人さんも参加してくれていたのでパスタもあります!
2時間ほどの怒涛の調理時間が終わって今日の料理が完成しました。ほんの少し前間まで羽根がついた獲物だったのに美味しそうな料理に変わりました。
茹だったエビが見えますが、これは北海道産の特定外来生物のウチダザリガニです。
先日、イタリアンのお店でカワウを食べた時に 「魚食性の強い水鳥は魚の風味がするからそれを隠すのではなくて、他の魚介類と併せて敢えて昇華させるといい。」と教わったのでサギに合わせようとザリガニを準備したのでございます。

「臭みを隠すでなく、あえて引き立てさせて昇華させて風味となす。」を忠実に実行して作ったサギ鍋。 そのお味は・・・
イタリアンシェフの言葉を忠実に守って、魚臭いサギにザリガニを合わせてみました! さて、そのお味は??
・・・うしお汁になったんだな。
みそ風味の美味しいうしお汁になってしまった。 鯛のアラだけで美味しく作れる「うしお汁」を滅多に手に入らアないコサギと高価なウチダザリガニで作ってしまった・・・ コストパフォーマンスとしては明らかに失敗だぁ!でも、獲得目標はそれだけじゃぁないよね!
「似た臭いモノ同士を合わせる」という極意に少しだけ触れることができたとらなのでございます! 開眼!!
全部の料理が揃ったところで、お待ちかねの試食ランチでございます。 皆さま、お疲れさま!先ずは乾杯!っという事で飲み会も始まる山賊キッチンのいつものランチタイムなのでございました。 ・・・山賊の飯にお酒がないなんてダメじゃんね!
参加者の皆さま、楽しい時間をありがとうございました!
今回の企画で味わったメニューはこちら!
・コサギの ムネ肉、ハツ(心臓)のグリエ (塩コショウ ・バター)
・コサギのレバーを焼いたもの、バルサミコ酢のソースにて
・コサギのパスタ
・コサギの うしお汁鍋 (味噌味)
・ツキノワグマ の角煮
・ハクビシンの角煮(全体の肉使用)
・ウチダザリガニの塩茹で
ご馳走様でした! 美味しゅうございました。 野山の恵みに感謝です。
※悲報! このブログをアップして2日後にこんなニュースが入ってきました!⇒コウノトリ 誤射
記事内容はこちら
「島根県雲南市教委は19日、市内に飛来していた国の特別天然記念物・コウノトリが、ハンターの誤射で死んだと発表した。兵庫県豊岡市の野外で巣立った5歳の雌。雲南市内で2歳雄とペアになって巣作りし、今年4月にひなの誕生が確認されたばかりだった。
地元猟友会の60代男性が同市内の田でサギの駆除をしていた際、誤って散弾銃で撃った。兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)が付けた足輪があり、男性が猟友会に連絡した。
巣には計4羽のひなが残されており、市教委は雄だけで餌の世話を続けられるか確認した上で、ひなを保護するか判断する。
国内の野生コウノトリは1971年に絶滅。2005年に野外放鳥を始めた後、豊岡市周辺以外の遠隔地で、ひなが生まれたのは徳島県鳴門市に続いて全国2例目だった。 2019.5.19 毎日新聞
今年はカモの誤射事件が続いて掲載した雑誌がお詫び記事を載せる事態が続きましたが、サギの駆除中に天然記念物のコウノトリを間違って撃ってしまった…
本当に猟銃を扱う際には気をつけないといけない。
☆
☆

寄生虫! 野性肉の生食は実はとても身近な食のリスク
突然ですが、先日クマ肉を捌いていたら線虫と思われる寄生虫がうにょうにょでてまいりました!
このサイズなら目に見えるから 「あっ!寄生虫がいたっ!」と判って食べないからいいんだけれど、もっと小さいサイズや卵、幼生サイズだと容易に見逃してしまいそうだ。
こんな虫をお腹の中で飼いたくないなら野性肉の生食は厳に慎むべきだな!
まぁ、とらとしましては、その土地の習慣、文化として野性肉の生食があるなら とやかくお節介な事は言わないので自己責任で楽しんでもらっていい。
だけど野性肉の生食の危険性を知らない人に 「自己責任で」 とか言って生肉食を勧めてはいけないね。

今日の食材リスト
さて、今回の山賊キッチンの素材がこちらだっ!コサギ、 クマ 、 ハクビシン・・・ まともに「食べれそう」 と思えるのはクマ肉くらいではないかな??
クマ肉は夏の有害駆除で捕獲したクマの肉を分けていただきました。
「クマ肉の一番おいしいのは秋の喰いこみ時期を迎えて脂のたっぷりのった秋グマのもの。」と言われるんだ。
だけど、「美味しくない」と言われる夏のクマだって畑の作物を守る為、等の理由で捕殺されているんだったらその肉もちゃんと利用したいんだよね。
ハクビシンは中国の方では高級食材で通っているらしい。 もっともあちらの皆さまは 「四足なら机以外は何でも食べる。」 と豪語されているそうですから守備範囲が広すぎて想像もつかないけどね。
一時、重症急性呼吸器症候群(SARS)のコロナウイルスの宿主としてハクビシンが疑われたんだよね。
実際の宿主はキクガシラコウモリだったとの事でハクビシンの疑いは晴れたのですが、ハクビーくんの身になってみれば、
そのまま宿主を疑われていた方が身の安泰は保てたかもしれないね。
とらだってSARSの宿主だったら食べようとは思わなかったんだよね。
さて、今日のお題の動物は 「コサギ 」。
コサギ! サギって食べれるの? その前にコサギって狩猟鳥獣だったっけ?? もしかして・・・密猟もの??

有害駆除従事者証 捕獲活動をして良い場所と動物の種類、それぞれの捕獲頭数が細かく決められています。
コサギは狩猟鳥獣には入っていいないんだ。
だけど増えすぎて農作物や水産業などに被害を与える、と判断された場合は「有害駆除」として捕獲の許可が出るのです。
今回は有害駆除捕獲された後に処理場に運び込まれたコサギを入手して食利用にチャレンジしてみたんだ。
とらも、サギなんて魚食性が強い鳥でおいしいとは思えなかったんだ。
だけど知り合いから 「サギは昔のフランスの宮廷料理に使われていたみたいだよ。」という情報をゲット! 俄然、食チャレンジをしてみる気になったのです!
・・・しかし、魚食性の鳥は臭いのに宮廷料理に使われた? ホントかな??
念のために知り合いのフレンチのシェフに 「フランス料理でサギって使った事、ある?」と聞いてみたのです。
シェフは使った事はないと云うんだよね!
あれっ!もしかしてとらは騙された? ウソだったのかな?いや、サギだけに詐欺かも知れない!!クエ クエ サギ??
でも、もう手元に届いちゃったし,駆除で獲られて捨てられるだけのサギもいるのだ、特に毒がなければ食べても大丈夫だ!
これも何かのご縁かも知れない・・・ 喰っちゃえ! お金も払っちゃったしネ。
「入金済」が最大の決め手となって改めてサギの食チャレンジに目覚めるとらでございます。
従事者証をよく見ると、もっと驚く動物が載っているな! サル!サルも狩猟対象外だから獲れないんだけど、有害駆除だと捕獲できるんですね! まぁ、すき好んでサルを獲る人は会ったことないけどね・・・
サルはヒトに似ている動物だから色んなウワサがついて回るんだ・・・
曰く、 銃で狙いをつけたら 「撃たないでくれろ」 と手を合わせて拝まれた、とか檻に掛った親子ざるを殺そうとしたら母ざるが子どもを庇った!「・・・!っ !っ ダメだっ!撃てねぇ! オレにも生れたばかりの 赤ン坊がいるんだ…」 とか。
八百万の神がいらっしゃる国は楽しいねぇ!

コサギのムネ肉試食。 解体が終わったらムネ肉を焼いてシンプルに塩コショウで味付けして肉の味を確かめます。
八百万の神の居る国の住民でもヒトと動物は 「仲良し」 だけではお互いに生存していけない。
ヒトは動物、植物を問わず、他者のご遺体を体のなかに食料として取り込んでいかないと生命を維持していけないからね。
だけど、食料になってくれた動物に感謝する事はできるんだ。 奪った命ならせめて 「美味しかったです、私の血肉になってくれてありがとう」と感謝してやりたい。
数が増えて害をなすからと、ただ殺して埋めたり焼いたりして処分する事はとらの本意ではないんだな。

体色は真っ白で美しいサギも羽を剥いちゃうと皮は浅黒いんだね。 けっこう腹黒い性格だったりして?
コサギの解体が終わりました。 野生のどんな鳥でもそうなんだけれど、塊で肉が取れるのはムネ肉位なんだ。
モモ肉なんかほんの申し訳くらいにしか付いていない。 鶏のモモ肉なんか見ると 「これぞ、品種改良の賜物!」と思えてしまう。
ムネ肉以外はなるべく骨から肉をこそげ取るんだけど、どうしても骨に付いたままの肉が残ってしまう。
だからとらたちは骨を圧力なべにかけて肉が取れやすくしてさらに煮汁からエキスも頂こうと工夫するんだよね。
ムネ肉の試食をしながら味の感想を述べ合って、その後どんな料理を作るか決めたんだ。
サギはそれほど匂いがきつくないのでカレー利用は外したんだ。
醤油味の鍋でもイケそうな気がしたんだけど、今回は他の食材に醤油系が多かったので味噌で味付けする事に決定!
手分けをしながらどんどん料理になっていくぞ。

レバーを使った一品。 火を通したレバーをスライスして茹でたじゃがいもに載せました。ソースはバジリコ酢で作ったもの。
野生動物料理で肝臓など内臓を使う事ってあまりないんだ。
どうしても手間がかかる印象があるし、羽抜きやらなんやら、やることがたくさんあってつい、「あと、後でまとめてやろう!」とか言いながら
わちゃ わちゃ やっているうちに 「あれっ!レバー、どうしたっけ?」 とかになって他の内臓たちと一緒に生ごみでまとめちゃっていたりして 使う機会を逃すんだよね。
内臓をきちんと使うにしても肉を食べる時のソースの中身に加えるくらい。
だけど、今回はプロの料理人さんが参加してくれていたおかげで忙しい中でも 「ちゃちゃっ!」 ともう一品作ってくれたのでございます。
山賊キッチン企画の嬉しい傾向として 飲食を本業にしている 「食のプロ」 の方が参加してくださることなんだ。
プロの料理人さんが野生動物料理に興味を持ってくれて、羽根むしりから体験してくれるという事は、これから先の「野生動物の食利用」 につながる大事な事だと思うんだよね。
食べれる主な内臓は、心臓、肝臓、砂肝位なんだけれど、コサギには砂肝が見当たらなかった。 餌は主に魚をつるんと呑みこむ位なんで、硬い木の実とかをすりつぶす為の砂肝は必要が無くなって退化したのかもしれないな。

料理が完成しました!今日はイタリアンの料理人さんも参加してくれていたのでパスタもあります!
2時間ほどの怒涛の調理時間が終わって今日の料理が完成しました。ほんの少し前間まで羽根がついた獲物だったのに美味しそうな料理に変わりました。
茹だったエビが見えますが、これは北海道産の特定外来生物のウチダザリガニです。
先日、イタリアンのお店でカワウを食べた時に 「魚食性の強い水鳥は魚の風味がするからそれを隠すのではなくて、他の魚介類と併せて敢えて昇華させるといい。」と教わったのでサギに合わせようとザリガニを準備したのでございます。

「臭みを隠すでなく、あえて引き立てさせて昇華させて風味となす。」を忠実に実行して作ったサギ鍋。 そのお味は・・・
イタリアンシェフの言葉を忠実に守って、魚臭いサギにザリガニを合わせてみました! さて、そのお味は??
・・・うしお汁になったんだな。
みそ風味の美味しいうしお汁になってしまった。 鯛のアラだけで美味しく作れる「うしお汁」を滅多に手に入らアないコサギと高価なウチダザリガニで作ってしまった・・・ コストパフォーマンスとしては明らかに失敗だぁ!でも、獲得目標はそれだけじゃぁないよね!
「似た臭いモノ同士を合わせる」という極意に少しだけ触れることができたとらなのでございます! 開眼!!
全部の料理が揃ったところで、お待ちかねの試食ランチでございます。 皆さま、お疲れさま!先ずは乾杯!っという事で飲み会も始まる山賊キッチンのいつものランチタイムなのでございました。 ・・・山賊の飯にお酒がないなんてダメじゃんね!
参加者の皆さま、楽しい時間をありがとうございました!
今回の企画で味わったメニューはこちら!
・コサギの ムネ肉、ハツ(心臓)のグリエ (塩コショウ ・バター)
・コサギのレバーを焼いたもの、バルサミコ酢のソースにて
・コサギのパスタ
・コサギの うしお汁鍋 (味噌味)
・ツキノワグマ の角煮
・ハクビシンの角煮(全体の肉使用)
・ウチダザリガニの塩茹で
ご馳走様でした! 美味しゅうございました。 野山の恵みに感謝です。
※悲報! このブログをアップして2日後にこんなニュースが入ってきました!⇒コウノトリ 誤射
記事内容はこちら
「島根県雲南市教委は19日、市内に飛来していた国の特別天然記念物・コウノトリが、ハンターの誤射で死んだと発表した。兵庫県豊岡市の野外で巣立った5歳の雌。雲南市内で2歳雄とペアになって巣作りし、今年4月にひなの誕生が確認されたばかりだった。
地元猟友会の60代男性が同市内の田でサギの駆除をしていた際、誤って散弾銃で撃った。兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)が付けた足輪があり、男性が猟友会に連絡した。
巣には計4羽のひなが残されており、市教委は雄だけで餌の世話を続けられるか確認した上で、ひなを保護するか判断する。
国内の野生コウノトリは1971年に絶滅。2005年に野外放鳥を始めた後、豊岡市周辺以外の遠隔地で、ひなが生まれたのは徳島県鳴門市に続いて全国2例目だった。 2019.5.19 毎日新聞
今年はカモの誤射事件が続いて掲載した雑誌がお詫び記事を載せる事態が続きましたが、サギの駆除中に天然記念物のコウノトリを間違って撃ってしまった…
本当に猟銃を扱う際には気をつけないといけない。
tag :