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ハンガートーク

2016-05-30
「ハンガートーク」って言葉があるんだな。

その昔、風待ちをしている飛行機乗りたちが、飛行機の格納庫(ハンガー)の隅っこでボソボソしていた雑談の事で簡単に言ってしまえば「井戸端会議」なんだ。

たくさんの無駄話や自慢話のなかにほんの少しだけど、なかなか経験し得ない貴重な経験談が混じっていて、大事な情報交換の場になっていたという話。

ひるがえって現代では、正式な会議の場では報告されないような、現場での些細な出来事や感想、見逃されやすいけど、実はとても大事な情報を引き出す大切な機会 という感じで使われる言葉のようだ。

正式な会議の場でない意見交換が 「けっこう大事だよね」、と見直されているんだって!




思い出したけれど、とらがスカイダイビングに燃えていた若かりし頃、風が強くて飛べない待機状態のときに
同じく手持ち無沙汰なセスナ機のパイロット達と格納庫の隅っこで世間話をしたり、フライトの面白い話を聞いたことを思い出した。
8割がたはど~でも良いバカ話、雑談だったんだけど、時おり キラリ と光る貴重な経験談が混じっていて興味深々だったナ・・・。

「雑談」って時間つぶしという共通の目的を持っているから立場を超えてお互いのホンネが聞けるから面白い。


ほのかに 「小型機でもいいから、できたらパイロットの資格とってそっちの仕事をしたい・・・。」と思っていた とらに

「小型機のパイロットなんてやくざな仕事はしないほうがいい! もしオレの息子がパイロットになりたいなんていったらぶん殴ってでもやめさせる!」とか言われて密かに傷付いていたりしたんだけどね。

でも、確かに小型機のパイロットは危険だし、わずか2,3人の乗客を乗せるにしたって人命を預かる厳しい仕事だ。
自分が好きな事して怪我したりするのは一向に構わないとらだけど、人の命が掛かるとなると話は別、責任の重さが大変だ。
ガツン! と言ってもらって、さっぱりあきらめてよかったかも。

あの一言がとらにとっての 珠玉のハンガートークだったのかもしれない。





あれから長い歳月が流れたのでございます。

スカイダイビングや軽飛行機といった空の世界とはまったく無縁になったとらでございますが、「狩猟界」という小型飛行機の世界と同じくらいにやくざな世界にどっぷりつかっているのでございます。

この世界もマニュアル化、システム化ができていない世界でございますのでハンガートーク的な 「口伝」 がいまだに重要な役割りを担っているアナログ業界でございます。

そもそも、一匹オオカミ的な、協調性のない人たちが多いから、「チームで話し合って一緒に何かしましょう♪」 と言ってもムダ。

鹿やイノシシを獲る「巻き狩り」はグループ猟なんだけど、それは 「獲物がとれやすいから他の連中と組む。」的なレベルで 
思考的には猟犬のそれとあまり変りない気がするんだ・・・ 親分がウルサイから言うコト聞く、獲物の分け前をもらえるから一緒に行動する、みたいなね。

「今日の狩猟をよりよいものにするためにミーティングをしてから出猟しましょう。」とか 「反省会を行います。」とか言っても、たぶん誰も参加しないナ。
基本、みんな一人で動くのが好きだからね。狩猟技術の継承だってマニュアル化して誰がみてもわかるようにする、なんていう発想はないナ。
少し時間があるとナイフ研いだり、自分の鉄砲メンテナンスしたり・・・この人たち普段はちゃんと社会人しているんだろうか、と心配になるくらいだ。

だけど、一日が終って獲物を得て、解体作業をするときだけは別なんだな。 唯一、みんなが集まってしゃべれる場だからね。

先輩が 「こうやってバラすからよく見てろよ~  つぎはオマエがやるんだからナ。」とか言いながらナイフと一緒に口も動かして
ああでもない、こうでもないとしゃべるんだ。

たいていはホラの混じる狩猟の自慢話だったり 「あそこではちゃんと狙って撃てば獲れたのによぉ~。」的なお説教だったりするんだけど、
ほんのときたま、0.03%くらいの割り合いで大事な事をぽろっと言ってくれたりするんだよね。

獲物の解体中のトークなので 「ハンガートーク」じゃなくて 「バラシ トーク」 とでも申しましょう。

この「バラシトーク」 今日一日の振り返りも入っているし、結果が足元にごろんと転がっているしでなかなか得るものが多いのでございます。
「オレは撃つのが好きで解体はあまり・・・」とかで解体作業を遠巻きに見ている仲間もいるんだけれど、解体技術だけじゃない狩猟中の動き方やタツの選び方、有害駆除班へのリクルート情報、安い中古銃情報など様々な情報が得られる 結構大事な時間なんだよね。

最近、狩猟の世界にも注目が集まってきていろんな人が狩猟世界に来てくれる。 
中には厳しい先輩、後輩の序列やアナログ的な物事の進め方を時代遅れ的に感じる人もいるかも知れない。

でも、昔の徒弟制度みたいに「技は先輩の所作を盗んで覚えろ。」的な世界が残っていてもとらは面白いと思うし、大量の無駄話のなかから大事な情報を拾い出す技を習得する場としても大切な気がして、しばらくこの世界はこのままでも良いような気がしているんだよね。

この高度にシステム化された世の中に残る 超アナログな風習の世界、狩猟界はアナログ界の最後の砦といっていいほど貴重な存在、だと思うんだな。   ・・・安全に関わる情報や機器は最新のものを取り入れる必要はあるけれどね。

そんな風に思うので 「今、ハンガートークが見直されている」 なんていう記事を見ると嬉しくなっちゃうんだよね。


これからもハンガートーク、バラシトークを最優先事項に据えていけるように、真面目で優秀そうなヤツが仲間に入ってきたらアナログ脳に洗脳しちゃおうかと目論んでいるんだな!



ビバ!アナログ世界

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