秋の南アルプスを縦走してきました!

2014-10-13
夏に仕掛けたセンサーカメラを回収に南アルプスに登ってきました。

今、南アルプス、特に北岳周辺から間ノ岳、農鳥岳の周辺でライチョウの減少が激しいようで、その原因の一つとしてテンやキツネなどの捕食動物が山頂近くまで上がって来ているのではないか、という説が浮上しているのですな。

今回のとらのミッションはその捕食動物の姿を捕えるセンサーカメラの回収とうんこの回収でございます。

うんこをバラして内容物にライチョウの骨や羽が含まれていないか調査するわけでございます。

3000mの高地まで来て動物のうんこを拾って歩くなどなかなかできない体験でございますぞ。
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登山を開始したのは御嶽山噴火の翌日の9月28日。台風17号が直撃するかそれるかのぎりぎりのタイミングでもあって登り始めの足取りはちょっと重かったな・・・。
北岳山頂近くからは、中央アルプスの向こうに御嶽山の噴煙を見る事ができました。

紅葉真っ盛りの天気の良い週末のお昼、という登山者が山頂近くに集まる最悪のタイミングでの噴火でした。 

山愛好家仲間のご冥福をお祈りします。





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台風17号の本州直撃も逸れ、夏の時とは違って全工程を通して天候に恵まれた山行となりました。南アルプスの山々も紅葉が今まさに真っ盛り! 
ただ、ナナカマドなど赤く色付く木々が少なくて彩的には「もう少し赤が欲しい」という感じでございましょうか。



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台風の接近も心配されたけど運よく逸れて暑いくらいの上天気。 天気図を見てもこの山行は天気に恵まれそうです。

一日目の宿、白根御池小屋に快適に到着!心地よい疲れと天候の安定が見込まれる事から明日からの縦走に期待がふくらみます!

こんな充足感をより確実にするためには「ソフトクリームLover」 のとらとしましては 男は黙ってソフトクリームを食べなくてはならないのです。

・・・が、残念!売り切れでございます。
「すみませんね~。次の荷揚げのヘリが来るまで出せないんですぅ。」とおかみさんに言われちゃしょうがないのでございます。
一旦、スイッチが入ったソフトクリームモードはなかなか元に戻らないのでございますがここは不便が当たり前の山の中、ぐっと我慢するとらなのでございます。




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翌日も雲一つないスッキリした快晴に恵まれました!
前回、濃霧で方向を見失いかけた小太郎尾根もスッキリ見えています! 甲斐駒ケ岳が目の前に見えていたんですね。


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日本第2位の高さを誇る北岳が目の前に。 でっかい岩の塊って感じの迫力です。
こんな岩の壁を目の前にすると「とてもあんな岩のてっぺんに立てるはずがない。」と思ってしまうのですが、粛々と一歩ずつ前に進めばいつかはその頂上に立てる・・・。 

お山から人生を学んだとらでございます。

とらの目指す「人生の頂上」には立てるのか?そこはどんな場所で、どんな状態を指す事なのだ?   
難しい命題でございますが思った道を粛々と歩むだけでございますな。 

そこがどんな状態なのか、どんな状況なら「ここが自分にとっての人生の頂点」といって良いのか皆目見当がつかないとらではございますが、
「辿り着いた場所を頂上と呼べば良い。」とすでに開き直りに近い言い訳を用意している 人生のズルさだけはちゃんと学んだとらでございます。



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富士山も見る事ができました。 まだ雪は付いていないけど10月に入ったらいつ雪が降ってもおかしくありませんね。

今年の富士登山は天候に恵まれなかった日も多かったようでガイド仲間はけっこう苦労した様子。「おはよう!」と届く毎朝のご来光写真には励まされたり、「お山に帰りたい!」と心ざわつかされたりと色々影響を受けたんだな!



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ライチョウに遭遇
国の天然記念物ライチョウはその手厚い保護のおかげで生息数は安定しているらしいんだけれど、ここ南アルプスの北岳周辺だけはだいぶその数を減らしているらしい・・・。

今回のとらのミッションはその原因のひとつとされる捕食動物の糞にライチョウの骨や羽が含まれていないかを調べることだったのですが、確かに5日間じっくりと歩き回ってもここ、間ノ岳周辺でしかその姿を見ることができませんでした。

山小屋オヤジ曰く、「以前は山小屋で犬を飼っていたからキツネやテンが山小屋近くに寄ってこなかった。人を恐れないライチョウは山小屋の近くで繁殖していた。今は高山に犬を連れてきてはいけない。という通達が出て山に犬がいなくなったからライチョウが捕食されたのではないか。」とのコト。

減少の要因は複数あるのでしょうから犬がいなくなったから、と断定は難しいと思うけど、山小屋の主たちがライチョウを終始気にかけていたことが判って嬉しかったな。



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今回観察できたライチョウは親2羽、子ども3羽のファミリーと子ども5羽の7羽のファミリーでした。

今年の夏は天候も不順で、春先には雪も多くて子育てには不向きだったはず。その環境の中で雛が3羽から5羽も育つなんて立派じゃないですか! キツネやテンの捕食圧もそんなに強いとは思えない・・・。

もしかしたら、研究者の目の届かない、登山道からちょっと離れた場所に生息範囲を移して元気に生きているのかもしれません。 こんな高山では登山道から離れての動物観察は容易なことではありませんから、そんな場所に移動しているのかもしれませんね。
楽観的な憶測だけでは危険ですが可能性はあると思うぞ!


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良いウワサを聞かない農鳥小屋の親父…。 
3時過ぎてやってくる登山者を怒鳴りつけた、とか対応が悪いとか…。

とらも夏に会った時には「基本的に客商売は向いていないんじゃない?」と思っていた農鳥オヤジでしたが、実はだいぶ以前から北岳周辺のライチョウ減少に危機感を抱いて、研究者や行政に色々な助言をしてきたらしいし、研究者に頼まれて捕食動物の糞を研究機関に送るといった協力も続けていたらしい・・・。
しかし、それらの提言が活かされる事なくライチョウが減少してしまっている現状に憤りを感じていることが判った!

「案外いいやつじゃん!」と見直したんだが、やっぱり客商売はあまり向いていなさそうなので、さっさと誰か後進に山小屋経営を譲って農鳥周辺の環境保全活動に尽くしたほうがより充実した日々を過ごせるんじゃないの? 
そのほうがオヤジさんにとっても、登山者にとってもライチョウにとっても良いことなんじゃない?とお節介にも思うとらなのでございます。

今回の訪問でとらの早川町にいるわな猟の師匠と農鳥オヤジが知り合いなコトも判って、どうやら山を降りても何らか付き合いが続くのではないかと危惧するとらなのでございます。


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良い日の夕焼け
良い夕焼けを見ると今日一日がとても良い日だった気がするんだな! 
会社員時代は夕焼けを見る日が年に数日あるかないかだったけど、最近はほぼ毎日、きっちりと夕焼けを見ているんだよね。
ちゃんと夕焼けを見ると今日の一日がきちんと終わる気がして、お酒が旨いんだよね!



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北岳がだいぶ遠くになりました。 大門沢下降地点から降下開始。 奈良田に向います。

今回は天候に恵まれて、すばらしい紅葉も見れてライチョウを見守っている人、実際にライチョウにも出会えてパーフェクトな山行でした。
この景色と別れるのは残念だけど、人間はこの高山にはずっと住めないから仕方ないやね。
森林限界を下って樹林帯に入るとやっぱりほっとするんだよね。




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奈良田に下山する途中の大門沢小屋で昼食。盛りそば1000円。 キリキリに冷やしててコシがあってウマい! 普通盛りでもボリュームたっぷり。
水をたっぷり使うそばが食べられるのは源流近くの山小屋の特権だよね。 山の上ではさすがにそばに贅沢に使えるだけの水はないものね。

下界に下りれば水も豊富だし、温泉にも入れる。 下界も良いとこだな、と思うのはやはり水が豊富にあるか無いかの違いだと思うわけでございます。



・・・水も電気もいっぱいある下界が住みやすい場所であるのはずっと前から気がついているだろうに・・・。なんでそんな不便な山の上に行ったりを毎年繰り返す??
頭の良い皆さまはきっとそうお思いの事と思うのでございますが、毎年、山の上の不便さを実感しないと下界、街の暮らしのありがたさを実感できないとらでございます。

毎年、何かと理由をくっつけてはかしこい皆さまから見れば無用な街と山の上の上下回遊を繰り返すとらでございます。

今年の高山トレッキングはたぶんこの南アルプスでおしまい。
登る回数こそ少なかったけど、野生動物、それに関わる様々な人たちに出会えてこれまでにない内容の濃いい山行を体験することができたな!
狩猟と野生動物保護、山の環境保全が人を介してとらの中で大きな流れを作ってきたようで南アルプス、山梨県早川町がより身近な存在になったようで今後の展開が楽しみなとらなのでございます。




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狩猟に少しだけ関心がある方、狩猟者になろうと考えている方はぜひご参加ください!
      
      
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コメント:
電気、ガス、水道、あって当たり前のもののありがたみを感じるために、山に登る必要性を強く感じました。その登山ですらロープウェイやケーブルカーがあり、気軽に山上近くまで登れる山を選んでしまう軟弱な自分を情けなく思ってしまいました。

ところで、車の雑誌のベストカー11月10日号の148~149頁に狩りガールが紹介されています。
狩りガールがどんどん増えるといいですね。不謹慎ながら、特に若い女性が。それに連れられて男性にも続々と興味を持ってもらえると、さらに活気が出てきていいことずくめです。

「スキー? スノボ? それとも、猟にする?」
狩猟=ウインタースポーツのひとつ、となるくらい身近になれば理想です。

狩猟で痩せる!みたいな特集やおしゃれなハンター特集、鹿肉でダイエット(あるのかどうかは知りませんが)でも女性誌に掲載されれば爆発的に広がりそうなものですが。

ワイルドで渋い男性も多いと思うので、女性向きなのは間違いないと思います。
[2014/10/13 21:02] | 鈴木 #mQop/nM. | [edit]
鈴木様
狩猟とは全然関係のなさそうな雑誌に狩猟者が登場するってすごいことですね!

狩りガールがもっと増えたら…。
とらとしましては実は肉食系よりみどりの黒髪、ストレートロングの楚々とした和服の似合う日本的女性のほうが好みなのでございます。
アグレッシブルに獲物を追い求められるとちょっとひいてしまうのでございます。…実はけっこう繊細なんだよね。

でも、「このお肉好き。」とか言って鹿肉を美味しそうに食べてくれる女子はいいな!

鹿肉ダイエットは聞かないけど高たんぱく低カロリー、鉄分豊富な鹿肉はランニング女子に良さそうなので誰か広めてくれないかな?
[2014/10/14 18:49] | 腹ペコとらさん #- | [edit]
鈴木様
山に登って不便な生活を体験する効用として「必要最小限生活を楽しめる。」があると気がついたんだよね。具体的に言うと「いつかはクラウン」で欲求って常にランクアップを目指すけど、必要最小限の生活を実感していると「車は車輪が4つ付いていて雨の日でも濡れずに時速80km程度で普通に走ればよい。」の要求で収まってしまう効用があると思うんだな。 シンプル イズ ベストってやつですか。
[2014/10/16 07:40] | 腹ペコとらさん #- | [edit]












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